前提知識の大切さ
前提知識という言葉をご存じでしょうか?
これは私たちが普段から記憶として脳の中に蓄積している知識のことで、これから読む本の内容や会話をする前に
既に持っている知識のことを言います。「え?本を読む前なんだから内容はまだ分からないのでは?」
と思うかもしれませんが、これから読む本の内容について、全く知識を持っていないということは実は稀なことです。
例えば、ある経営学の本を読む場合、自分なりに既に持っている経営学の知識を総動員して読みます。
人と話す場合でもその人の特有の話の展開パターンを知っていたりします。
つまり、何らかの前提知識を頼りにしながら情報を得てゆくのです。
これが初めて読む著者であったり、初めて会話する人である場合はどうでしょう。
文章の展開や著者の視点も異なりますし、これまでとは大きく異なってきます。
増してや人との会話となると、第一印象を形成する大事なファーストコンタクトが前提知識が不足している事で
更に難しくなっているのです。
先日、家内と末娘との会話で「小笠原諸島」という単語が出てきた時、末娘は「何?お皿諸島って」と答えていましたが
これも彼女に「小笠原諸島」という前提知識がない為、耳に入ったワードをそのまま口にしたという事でしょう。
前提知識があれば話の流れから「お皿諸島」は「小笠原諸島」に変換されたはずです。
「お皿諸島」のままでは、どれだけ会話を続けても話はリンクしないでしょうね。
私が小学生の時、国語のテストで小説の一部が抜粋された文章問題を解いていたました。
「お骨」(おこつ)という単語を「おほね」と理解し、最後までストーリーがピンと来ずにテスト終了。
友達との答え合わせで初めて気づき、自分の馬鹿さ加減に茫然とした事を覚えています。(恥)
上手に人と話したり、本を上手に理解するには普段から色々な前提知識を身に着けておく事が大事なんですね。
日本語・英語の言語を問わず映画や本など、様々な媒体を通して海外の文化や習慣に触れたり、
話の展開パターンを意識することで前提知識を身に着けて行きたいものです。